「できあがった知をもらうことが学ぶことではない」

小林秀雄氏の言葉です。小林秀雄と言えば、知る人ぞ知る『考えるヒント』など、受験国語の論説文の代表とも言える評論家です。

さて、この時期、受験生は、寒さとともに緊張感が増す頃です。

私は、この塾で、出来ればみなさんがそれぞれの受験期を迎えるまでに、勉強の仕方の本質を身につけて ほしいと思っています。つまり「勉強するとはどういうことか、学ぶとはどういうことか」を身につけ、 「自分で勉強していける人」になってもらうことです。 そのために、すぐに答えを教えないことが度々あります。お子さんが「わからない」という問題は、そ の人の年齢や学習内容によって、「一緒にやろう」といって、一緒に答えまで導いていくこともあります が、大概の場合、ヒントだけ出してもう一度自分で考えるようにと言って返します。 そもそも自分で考えもせず、解こうという努力もせず「わからない」と言っている場合はヒントも出さないこともあります。「わからない」と言えば、答えを教えてもらえると思っていたり、解答つきテキストの場合、答えをそのまま写して「できた」と言う顔をしても、本人は学んだことにはならないからです。

「学ぶ」とは、「自分で理解し、出来るようになること」で、「勉強する」とは、できるようになるために、考えたり調べたり、何度もやり直したり、定着するまで覚えたり、「出来るようになるために力を尽く すこと」だと私は思います。 小学生のうちからこの力がつくように習慣づけていけば、将来、自分で考え、自分で問題解決できる人 になると期待しています。だから、例えば、立体図形の問題を考えるのに、「紙上ではわかりにくいので、 ゲームソフトを使って考えてもいいですか」と聞いてきた人がいましたが、「いいよ」答えました。何を使えば解けるのか、解くためには何が参考になるのか、それを考えるのも勉強の過程だと思うからです。 テキストに落書きするのも結構です。絵を描くことで、イメージを膨らませるのもいい勉強方法です。 成長途上のみなさんの今後を楽しみにしています。